本記事の主要対象期間
18年1月27日~18年2月2日
市場動向
BTC建て堅調もUSD建てでは下落
少し前まではBTCが落ちるとETHを含めた他のコインは「BTC建てでさえ下落する」という状況でしたが、今週はETHが堅調で、BTC建てでは非常に強い動きを見せましたね。BTCの下落率以上にETHBTCが上昇して法定通貨建てでも上昇という局面もありましたが、今日はBTC以上に下落しています。それでも1ETH=0.1BTCを維持しています。
下落相場に強いプロジェクトの開発状況なんかをチェックして自分なりにスクリーニングしていくのも面白いかもしれませんね。
ETHBTC
ETHUSD
Ethereumインフラ関連
Plasma Implementers Call #1 (1月28日)
Plasmaに関する説明をする電話会談のようなもの。Joseph, Karl, Vitalikという錚々たる開発者が一同に介しています。が、音質は悪い。
Ethereum Foundation Executive Directorに宮口氏 (1月31日)
技術面の話ではありませんが、Ethereum FoundationでExecutive Directorを務めていたMing Chan氏が辞任し、Kraken JapanでManaging Directorを務めていたAya Miyaguchi氏が新しくExecutive Director就任するようです。
Farewell and Welcome – Ethereum Blog
Ethereum関連プロジェクトの動向
Radar Relayが取り扱いトークンを追加 (1月27日, 2月1日)
CindicatorやETHLend、RChainが追加されました。これらのプロジェクトがどのようなものなのか、私はほとんど追っていませんが、トークン追加の柔軟性はDEXならではで、トークン保有者にとっては魅力的なものですね。
New tokens added to Radar Relay! pic.twitter.com/3fDpGLAzxu
— Radar Relay (@RadarRelay) January 27, 2018
New tokens added to Radar Relay! pic.twitter.com/rR4EaiORGN
— Radar Relay (@RadarRelay) February 1, 2018
安全なスマートコントラクト (1月28日)
Parity Muitisig Walletの凍結やThe DAO事件を見ても明らかなようにスマートコントラクトの監査や検証は経済圏の発展のためには不可欠です。ブロックチェーンセキュリティという分野はますます一般人には目につかない形で盛り上がり、大きなお金が動くだろうと思われます。特に「事故を未然に防ぐための技術」と「事故が起きてしまった後に侵入経路を解明したり、盗難されたトークンを追跡する技術」が重要になってくるかと思います。
自分はスマートコントラクトのセキュリティに関しては無知なので、リンクの紹介だけの留めます。
How Formal Verification Can Ensure Flawless Smart Contracts
NASAがEthereumを利用 (1月29日)
Space communicationsを向上させるためにNASAが米国のアクロン大学に補助金を出し、そのチームがEthereumの利用を計画しているというニュース。私は門外漢ですが、Resilient Networking and Computing Paradigmを実行する際のバックボーンとしてEthereumが使われるようです。
https://www.nasa.gov/sites/default/files/atoms/files/strg_ecf17_wei_quad.pdf
NASA Fund Researches the Potential of Blockchain Technology in Space
DAIの仕組みと開発状況 (1月29日)
DAIはETHを担保に1DAI=1USDペッグを志向しているトークンです。現在はETHの単一担保になっていますが、次のフェーズで複数通貨による担保が可能になるようです。この記事では、債務限度やTarget Rate Feedback Mechanismが説明されています。MKRとDAIについて記事を書こうと思いつつ、内容が結構重いのでまだ手を付けられていません。
個人的にはトラストレス環境で暗号通貨担保による法定通貨ペッグはかなり難しいと思うので、ペッグよりもむしろバスケット通貨としての役割に注目しています。
The Road Ahead for Dai – Makerdao – Medium
※参考
アドレスを追跡して残高を表示できるアプリリリース (1月29日)
Ethereumのアドレスを追加すると、そのアドレスに保管されているETHとERC20準拠トークンの価格を表示してくれるアプリです。アドレスを登録しておけば、残高が自動で反映されるため手動で売買記録を更新する必要がありません。取引所に保管されているものは対象外ですが、ウォレット保管分の市場価値を確認したいときには便利です。
Quid Wallet – Ethereum & ERC20 Watch Wallet – Google Play の Android アプリ
DEX「KyberNetwork」がメインネットローンチ日を発表 (1月30日)
KyberNetworkのパイロット版がメインネットローンチは3pm (GMT+8) on February 11, 2018の予定。KyberNetworkについては以下の記事をご覧下さい。

Announcement: Kyber Network Mainnet Pilot Launch – Kyber Network
OmiseGO Town Hall 0x1 (1月31日)
OmiseGOはPlasmaを使う予定になっているので、技術面の情報を得るためにウォッチしていますが、OmiseGOのトークンモデルやペイメントのビジネスモデルについてはほとんど追っていません。
OmiseGO Town Hall 0x1 – YouTube
質問スレッドはこちら。
Official Questions Thread for OmiseGO Town Hall 0x1 : omise_go
Cosmos Update (2月1日)
開発陣の拡充、Cosmos-SDK Alphaの導入、Cosmos Academyの紹介。Cosmos AcademyあサンフランシスコかベルリンでCosmosについて学べるミートアップ形式で行われるようです。
Latest in Cosmos—January Update – Cosmos Blog
Cosmosに関しては以下の動画をご覧下さい。上のリンク先にもいくつかの動画が用意されています。
メディア
Vitalikが手数料について言及 (1月28日)
Ethereumネットワークにおける手数料のボラティリティが非常に高いことについての意見。ETHの価格上昇に伴って、ネットワークの使用料まで高くなってしまうと、ネットワークの利便性が失われてしまいます。
Things we learned in 2017: in the full-blocks equilibrium, transaction fee prices are even more volatile than cryptocurrency prices. This suggests that for costs incurred over time rather than immediately (eg. storage space), setting a fixed fee may actually be not that bad.
— Vitalik Non-giver of Ether (@VitalikButerin) January 27, 2018