去年の11月に統計検定二級を取得してみました。統計検定は合格したところで何かに役に立つ類のものではありませんが、ある方に「独学の歪みに気付かないやつは分野を問わず早晩破綻する」と脅され、自分の理解を確認するために外部試験の力を借りることにしたのです。
公式サイトにもある通り二級はせいぜい大学基礎科目レベルなので、大学で統計学を学んだことのある方や独学でも半年以上統計学を学んでいる方にとっては物足りないでしょう。統計学そのものを学びたいわけではないが、道具として統計学の基礎を理解しておく必要があるという方には2級は有用かと思います。
統計検定2級は、この参照基準に示されている大学基礎科目レベルの統計学の知識の習得度と活用のための理解度を問うために実施される検定です。
統計検定 2級|統計検定:Japan Statistical Society Certificate
一級は大学の専門課程終了レベルで結構難しく、独学でそれなりに真面目に勉強した人にとっては準一級が狙い目なのですが、準一級と一級の試験はそれぞれ別の月に年に1回しか実施されない(他は2回)ので注意が必要です。受験料は二級が5千円、準一級が8千円、一級は統計数理と統計応用の2つがあってそれぞれ6千円です。
統計検定2級を取るための参考書
独学の一冊目だとこれでしょうね。ただ、既に統計学を学んだ頃がある人にとっては簡単すぎるので、これを飛ばしても良いと思います。この本の代わりに以下の本でも一冊目としては良いと思います。
『ゼロから学ぶシリーズ』ですね。ちなみに同シリーズの線形代数と微分積分は上で紹介した小島寛之氏によるものです。どちらも初学者向けなので二冊ともやる必要はないと思います。
結構古い本ですが、演習本として優れており、しかも著者の1人がデータを無料で公開しています。解答にはパスワードがかかっていますが、問題ないでしょう。統計検定2級レベルであれば、この演習本に収録されている問題を十分に理解できていれば合格ラインには達すると思います。
日本統計学会公式認定 統計検定 2級 公式問題集[2014〜2016年]
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上で挙げた参考書は統計検定用のテキストではないため、本番の試験でどのような問題が出されるのか確認するために試験10日前くらいに過去問を一通り終わらせました。私が買ったのは一つ前の版です。見たこともないような問題もいくらかあって焦りましたが、初見の問題を落としたとしても上の参考書を理解できていれば合格はできると思います。
どのように勉強するか
私は元々統計検定を取るために統計学を勉強していたわけではないので、『統計学入門』や『キーポイント確率統計』も使っており、統計検定を受験した際には既に半年以上統計学を勉強していましたが、初学者でも1日1.5時間くらいを捻出できれば、上述の参考書を用いて2ヶ月~3ヶ月程度で無理なく合格できると思います。
冒頭でも書きましたが、準一級と一級は年に1回しか受けるチャンスがないので、どのタイミングでどの級を受けるかが一番重要です。